【LGSとは】何に使うの?規格や種類の違い、メリットやデメリットを徹底解説

LGS間仕切壁

内装工事の工程で良く目にする『LGS工事・軽鉄工事』。

「そもそもLGSって何?」と思っている人もいるかと思います。

LGS工事は内装の現場では知っておかなければならない超基本的な工程になります。

今回はLGSについて徹底解説してきます。

ここで少し私のことを紹介。

筆者のプロフィール
  • イベント、内装業界に携わり15年
  • 営業、提案、発注、現場と業界の裏側を一通り経験
  • 時間と場所とお金のゆとりをDIYに全力投球
  • 業界経験を活かした空間創り、物つくりを実践中

私も最初はLGSという言葉を知らないまま現場に出ていました。

当時はとにかく現場で覚えろ!と言う感じだったので教えてくれる人はいなく現場では苦労しました。

そんな人のために初心者にも分かりやすく解説していきます。

この記事を読むとこんなことが分かります。

当記事を読んでわかる事
  • LGSの基本情報
  • LGSにはどんな種類と規格があるのか?
  • LGSを使ってできること
  • LGSを使うメリット
  • LGSのデメリット

この記事を読めば内装初心者でもLGSについてのポイントは押さえられます!

最初に結論を言いますと

LGSとは
  • 軽量鉄骨の総称
  • 壁・天井を作るための骨組みを組む建築材料
  • プラスターボードを貼るための下地になる
  • 壁・天井に『もの』を取り付けるための下地になる

それではより詳しく解説していきましょう!

目次

LGSとは直訳すると軽量鉄骨と言う意味

LGSとは下記の頭文字をとって「エル・ジー・エス」と呼ばれます。

  • 【L】→Light(ライト)軽い
  • 【G】→Gauge(ゲージ)規格
  • 【S】→Steel(スティール)鉄骨

直訳すると『軽量鉄骨』という事になります。

なのでLGS以外にも日本語で略して『軽量』や『軽鉄』と呼ばれることがあるんですね。

またG=Gauge(規格)となっているようにLGSは規格品で様々なサイズや種類があり、それを総称して『LGS』と呼んでいます。

LGSを使って壁・天井の骨組みがつくれる

その前にLGSは何のために使われるかを理解してから進みましょう。

LGSを使った工事で『LGS工事』と言う工事工程があります。

LGS工事ではLGSを使って何をするのか?

LGSを使ってできる事
  • 壁を作ることができる
  • 天井を作ることができる

シンプルにざっくり言うとこんな感じです。

文章で読むより写真を見てもらった方が直感的に分かります。

工事現場でこんな「鉄の棒」見たことありますよね?

天井もLGSを使ってできています。

このように壁、天井を作るためにLGSは使われていて、壁や天井を作る工事工程がLGS工事(軽鉄工事)と言います。

もう少し細かく言うと壁や天井を作るには2つの工事工程がある。

  • 壁や天井を作りたい場所にLGSで骨組みを組む→LGS工事
  • LGSで組んだ骨組みにプラスターボード(PB)を貼る→PB工事

つまりLGSはプラスターボードを貼るための下地になる!

壁、天井ができなければ内装工事は進みませんから『LGS』は内装工事では知っておくべき超基本的な材料という事ですね。

LGS工事については下記の記事で詳しく解説しています。

【内装工事】LGS工事、軽鉄工事、軽天工事って何するの?【初心者向け】

でもなぜ『LGS』を使うのか?

次にLGSを使うメリット・デメリットを解説します。

LGSのメリット7つ

なぜ壁を作るのにLGSが使われるのか?

LGSを使うメリットを紹介します。

LGSを使うメリット7
  • 燃えない
  • 軽い
  • 安い
  • 施工が早い
  • 隠蔽配管ができる
  • 反り、曲がりがなく材が安定している
  • シロアリの被害がない

それぞれ解説していきます。

【不燃材料】LGSは燃えない

店舗や、事務所などの内装では建築基準法の定めにより内装下地に可燃物は使えません。

例えばプラスたボードを貼るのに木で下地を組むのはNGです。

木は可燃物なので内装下地には使えません。

でもLGSは鉄なので燃えませんね。不燃材料として認可されている材料なので安心です。

軽いので搬入が楽

LGSは軽量鉄骨だけあってとても軽いです。

約1メートルで950ℊくらい。(65✖45のスタッドの場合)

1人でまとめて何本も持てるので持ち運びが楽です。

搬入も台車があれば一度に何十本も運べるので、往復する回数が減りますね。

木材に比べて安い

LGSは施工が簡単なので施工費が安いという点もありますが、材料自体も木材に比べて安価です。

施工㎡数が少ない場合は割高になる可能性もありますが

一般的には木軸組より安価に施工できます。

施工が早く工期短縮になる

LGSは部材の組み合わせでシステマチックに組み立てていきます。

施工性に優れており、木と比べて施工スピードが速いです。

工期短縮が出来るので、コスト減につながりますね。

【隠蔽配管】壁の中に配線、配管を通しやすい

例えばコンクリート壁に直接プラスターボードを貼って壁を作った場合、コンセント配線などは露出になってしまいます。

LGSを使えば躯体壁とプラスターボードの間に隙間が生まれるので配線や配管を隠すことができます。

また薄い材なの穴開け加工がしやすく、配線を通しやすいというメリットもあります。

下の写真はボードをはがした壁の中の写真です。

配線、配管が隠蔽されてました。

隠蔽配線

反りや曲がりがなく安定した材料

木材ですとどうしても反りや曲がりがあります。

湿気にも弱く伸縮したりもします。

LGSは反り、曲がりはなく湿気にも影響を受けません。

とても安定した材料だと言えます。

シロアリ被害の心配がない

木材の天敵「シロアリ」

シロアリ対策には手間もお金もかかります。

その点、LGSは鉄なのでシロアリ被害の心配はいりません。

メンテナンスにも費用が掛からないので嬉しいですね!

LGSのデメリット4つ

メリットがあればデメリットもあります。

それぞれ見ていきましょう

削れない!細かい加工には不向き。

LGSは鉄作られているため現場で「削る」という加工ができません。

木は「削る」加工ができるので、加工性で言えば木の方が有利だと言えます。

LGSで出来る加工は「カット加工」と「穴開け加工」のみです。

※ランナーは「曲げ加工」もできます。

加工の時に火花が出る

LGSをカット加工はするときは高速カッターを使うのが一般的ですが

その際に火花が出ますので火気対策が必要。

消火器、消化バケツ、火花カバーは必須アイテムなります。

高速切断機の火花飛散防止に/市販の305mm、355mmの切断機に使用できます。/ディスクグラインダー、溶接機、プラズマカッターなど使用時の火花飛散防止に。
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少々面倒ですね。

火気厳禁の現場の場合は高速カッターではなくバンドソーかセイバーソーを使うと良いでしょう。

軽天材を一発切断可能な最大切断能力66mm。
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躯体に不陸があると精度が落ちる

LGSは鉄なので表面は固く、材が安定していますが削るといった加工ができません。

その為に躯体に凹凸や不陸があると、でっぱりを拾いやすく水平面が出し辛くなります。

躯体の状態あまりよくない場合は、木軸の方が施工性に優れています。

金切り音がうるさい

加工の時、火花が出るに加えて音がうるさいです。

カットするにも、穴を開けるのにも木に比べて甲高い音が出ます。

なので店舗が営業しながらの工事は嫌がられますね。

周辺にも配慮が必要です。

LGSの種類

LGSは「軽量鉄骨」の総称という事は先述した通りです。

LGSの役割を大きく分けると2つの役割があります。

  • 壁の下地材
  • 天井の下地材

それぞれ使うLGSも変わってきます。

どんな種類があるのかを見ていきましょう。

壁の下地材に使うLGS

壁下地材の種類は下記を覚えておきましょう。

  • ランナー
  • スタッド
    • 角スタッド
    • C型スタッド

壁はランナーとスタッドの組み合わせで出来ています。

更にスタッドは2種類あり、角スタッドとC型スタッドに分かれ見た目の形状が違います。

  • 角スタッドはロの字
  • C型スタッドはコの字

見た目以外にも強度、種類、施工手順などの違いがあり現場によって使い分けます。

2種類のスタッドについては下記記事にて詳しく解説しています!

⇒【使い分け】C型スタッドと角スタッドの強みを徹底比較【6つの視点】

天井の下地材に使うLGS

天井下地材は下記を覚えておきましょう。

  • シングルバー
  • ダブルバー
  • Cチャンネル

天井はCチャンネルとシングルバー&ダブルバーの組み合わせで出来ています。

それぞれ別の呼び方をする人もいますね。呼び方はさまざまですが同じ意味です。

  • 親バー/Cチャン=Cチャンネル
  • Mバー/子バー=シングルバーとダブルバーの総称

それぞれの規格は下記になります。

規格 名称 姿図 サイズ 厚み 長さ
19形
(屋内用)
シングルバー 25×19 0.5 4,000
5,000
ダブルバー 25×19 0.5 4,000
5,000
Cチャンネル 38×12 1.2 4,000
5,000
25形
(屋外用)
シングルバー 25×25 0.5 5,000
ダブルバー 50×25 0.5 5,000
Cチャンネル 38×12 1.6 5,000
  • 規格の違い
    • 19形は屋内用として使用
    • 25形は屋外用として使用
  • シングルバーとダブルバーの違い
    • シングルバーは303㎜ピッチで流していき
    • ダブルバーはボードのジョイント部分に流す

【まとめ】LGSは壁・天井の下地材、種類も規格もたくさんある!

LGSは壁や天井の下地材となる建築材料です。

種類や規格もさまざまあるので、用途に適した材料を選べるのが嬉しいですね。

内装工事では必ず使う材料なのでしっかり理解を深めておきましょう。

LGSは現場では他の呼び方で言われることもあります。

  • 軽量(けいりょう)
  • 軽天(けいてん)
  • 軽鉄(けいてつ)

これはどれもLGSのことです。現場で突然聞きなれない言葉が出てきても焦らず対応しましょう!

種類が多いので覚えるのが大変ですが、どのように壁や天井の下地が組まれていくかを理解できれば簡単に覚えられますよ。

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この記事を書いた人

ブログ運営者のふくさらです。

時間にも場所にもお金にも多少のゆとりができたので、趣味でDIYを開始。
趣味で始めたDIYにどっぷりはまり物置を作業場にリフォーム。

本業はディスプレイ・内装業界。
15年の業界経験を活かし、暮らしの中のちょっとしたものをDIYで作って楽しんでいます。
最近ではオーダーを頂くことも増えました!

この『ゆとりDIY』では【初心者でもそこそこのものを作れるるようになる】をコンセプトに、必要工具の紹介、DIYレシピやノウハウを発信しています。

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