大谷石を使っておしゃれな空間を作りたい!
と思っている人は多いですよね。
でも・・
大谷石ってどうやって選んだらよいか分からなくないですか?
- 大谷石って種類はあるのかな?
- 色も微妙に違うけど選べるのかな?
- 自然素材だから当たり外れってあるのかな?
- 価格も高いし失敗しないためのポイントって何だろう?
大谷石って模様の入り方で印象がすごく変わりますよね。
しかも他の内装材と比べて決して安くないので絶対に失敗したくないものです!
私は仕事柄、設計さんやマテリアルメーカーと関わる事が多く、扱ったこともあるので大谷石については良く理解しています。
簡単に筆者のプロフィールを紹介します。
- 内装業に携わり15年
- 自宅にも大谷石を採用、施工実績もあり!
- デザイン提案・見積もり・発注・現場監理をワンストップで経験
- 業界経験を活かしてDIYに挑戦中!
当記事では、いま大谷石を検討中の人のために自分のイメージに合う大谷石が選べるように【失敗しない大谷石の選び方】を解説します。
- 大谷石には3種類ある
- 3種類それぞれの特徴
- 更に等級がある
- 色は1種類だけ
- 失敗しないための発注の仕方
この記事を読めば自分のイメージ通りの大谷石で、イメージ通りの空間創りをすることができます!
そんなことできるの?と思うかもしれませんが
できるのです!
どうすればよいのか?
最初に結論から言います。
これだけなんです。
それでは詳しく解説していきましょう!
色は1種類だけ!色が違うのは経年変色するからです
まず色についてです。
大谷石の施工実績や画像検索をしているといろいろな色の大谷石が出てきますよね。
大谷石っていろいろな色があるんだなー
何色の大谷石を選ぼうかなー
なんて思った人も多いと思います。
これは半分正解で半分間違いです。
正確には大谷石の色は1種類しかありません!
でも実際は色違いの大谷石がありますよね。なぜか?
大谷石の色は選べません。
ここを理解しましょう!
【変色の仕方】どうやって変色するの?
大谷石はどのように変色するのでしょうか。
色は大きく分けて3段階に分かれます。
- 青緑
- 白~ベージュ
- 茶色
変化する条件は
- 大谷石が乾燥するにつてれて青緑→白→ベージュ→茶色に変化する
- 含んでいる鉄分の量によって変化の具合も変わってくる
採掘されて間もない状態 水分を多く含み、青緑色 |
ある程度乾燥が進んだ状態 白っぽく変化 |
色の変化が進んだ状態 鉄分が反応し茶色く変化 |
経年変化は必ず起こります。
色の変化を楽しめる人はメリットになりますし、そうでない人はデメリットかもしれません。
デメリットに感じる人は、経年劣化をある程度防ぐ方法あるのでご安心を。
更に色を戻す方法もあります!
詳しくは下記の記事で!
⇒【超おすすめ】大谷石とは?特徴、メリット、デメリットを完全解説!【使い方も紹介】
また、変色しにくい種類もあります!
それについては後述します。
大谷石は『細目』『中目』『荒目』の3種類
大谷石は3つの種類に分類されます。
- 細目(さいめ)
- 中目(ちゅうめ)
- 荒目(あらめ)
何を基準に分類されているかと言うと
『ミソ』の大きさの違いにより分類されています。
ミソとは?
⇒茶色い斑点模様のこと。経年劣化でミソは剥がれ空洞になる事も。
ミソの大きさによって大谷石の雰囲気は大きく変わりますよね。
ミソは木材で言うところの『木目』のような役割をしています。
なのでこの3つの種類は大谷石の『石目』の種類とも言うことができますね。
それぞれの石目の特徴を見ていきます。
大谷石の採掘区域は東西に約3Km、南北約6Kmに及び地下200~300mに分布しており、採掘場所によって石目が変わります。
細目の特徴
- ミソが小さい
- 価格は高め
- 色の変化は穏やか
細目の大谷石はミソが小さくきめ細かいのが特徴的。
ミソが小さいほど石肌が美しく、手触りも良くなり高級品として扱われます。
その証拠に帝国ホテルのロビーに使用されているのは細目大谷石です。
色の変化も緩やかで、ベージュから肌色の色目で落ち着く。
大谷石の中でも特に柔らかく加工しやすい特徴もあるため、彫刻や工芸品としても良く使われり事が多く、大谷石雑貨で人気のコースターは細目大谷石が使われています。
中目の特徴
- ミソの大きさは並
- 価格は並
- バランス型
- 経年変化で茶色に変色
中目大谷石はミソが小さいものから大きめのものまでバランスよく入っています。
価格帯もちょうど良く、給水率、強度、耐久性などの能力も平均値となっており、ひじょうにバランスがとれた石目になります。
使用用途も貼り石から彫刻、敷石、石窯と汎用性が高いことも特徴的。
見た目も、機能性も大谷石らしさが味わえるので人気の石目となっています。
荒目の特徴
- ミソが大きい
- 硬く加工がしにくい
- 耐火性に優れている
- 経年変化が強めで茶色に変化
荒目大谷石はミソが大きいのが特徴的。
大谷石の中では硬いものが多く、加工がしにくい石目となります。
硬く、耐火性に優れている特徴があるため外構に使われることが多くまた寒冷地での使用に適している石目です。
色の変化も強めで、外で使われることが多いことから茶色く変化しますが次第に落ち着いて大谷石らしい色目になってきます。
石塀や敷石、石窯、焼却炉などで多く使われます。
石目3種類比較
細目・中目・荒目それぞれの特徴を表にまとめました。
イメージに合う大谷石はどれでしょうか。
【細目】 | 【中目】 | 【荒目】 | |
画像 | |||
ミソの大きさ | 小さい | 大小がバランスよく | 大きい |
価格帯 | 高価格 | 並 | 低価格 |
主な使用用途 |
貼り石(内装)・石塀・ 門柱・細工・彫刻・ 雑貨 |
オールマイティ |
貼り石(外装)・石塀・ 土留・石窯・焼却炉 |
硬さ | 柔らかい | 柔らかい | 硬い |
吸水率 | 低い | 並 | 高い |
比重(重さ) | 大差なし | ||
圧縮強度 | 高い | 並 | 並~低い |
耐久性 | 低い | 並 | 高い |
参考:2018年度修士論文 地域産業の変遷を表出する地場産材の利用実態とその価値
石目だけでなく等級分けで更に細分化される
大谷石には石目のほかに『等級』でも分類されます。
石目が更に細分化されて等級があるイメージです。
等級の見分け方
ミソの大きさで等級が分かれます。
最もミソの小さいものが1等品、特上品。
ミソが大きくなるにつれて2等品に分類されます。
平均的なミソの大きさは並品とされることもあります。
等級を決める基準は明確にはなく、職人の目利きや採掘場ごとで分類されて決められています。
【等級】特上品・一級品・(並品)・二級品に細分化される
等級は4つのクラスに分類されます。
中目、荒目では等級によってどちらとも言える場合があり、7昔よりは厳密に分類されていなく採掘場によっては並級が使われていないケースもあります。
細目特上品
- 一級品よりミソが小さくきめ細かい上品な肌感
- あまり市場に出回らない
- 最高級品とされており、細目のみで分類されます
一級品
- ミソが小さく決めか細かい
- 各石目の高価格帯になる
- 「細目一級品」は洗練された大谷石のイメージが好きな人にはぴったり
並品
- 一級品と二級品のちょうど中間
- 平均的なミソの大きさが並ぶ
- いまでは並級として分類わけしないところも多い
二級品
- 比較的ミソが大きい
- 各石目の低価格帯になる
- 「荒目二級品」は岩々しい素朴な味わいが好きな人にはぴったり
【早見表】石目|等級を一覧にしてみる
大谷石には石目、等級があることが分かりました。
まとめるとこんな感じになります。
大谷石 | 石目 | 等級 | 価格帯 | ミソ | 雰囲気 | 用途・特徴 |
細目 | 特上品 | 高い | 小さい | 洗練 |
|
|
一級品 | ||||||
二級品 | ||||||
中目 | 一級品 |
|
||||
二級品 | ||||||
荒目 | 一級品 |
|
||||
二級品 | 安い | 大きい | 素朴 |
※並品は除外しています。
石目の種類の中でもミソの大きさが細分化されています。
より細部まで拘りたい人は等級にも目を向けましょう!
失敗しないための大谷石の選び方
ここまで読めば【失敗しないための大谷石の選び方】はもう分かりますよね。
ここが重要です。
施工会社の中には特に石目などを聞いてくれずに単純に『大谷石を貼る』で終わってしまう会社もあります。
『木材』は一生懸命に木の種類や、木目の特徴など説明してくれたり施主も調べたりしますよね。
ハウスメーカーや工務店が木材を売りにしているところが多いからです。
『石』を推す工務店は少ないですからね。
だからこそ、他の家やお店との違いが出せるのです!
一色単に『大谷石』で話が進み、「イメージと違った。。」なんてならないようにしましょう!
石目+(等級)の( )はなんで?【明確な基準がないから】
ちなみに(等級)はなんでなの?と思った人もいるかと思います。
先述したように、【等級】には明確な基準がありません。
大谷石等級別基準ガイドのようなものはなく、職人や、採掘場所で各々で決められています。
例えばA石材店の中目二級品とB石材店の荒目一級品が区別付かないなんてこともあります。
なので等級はよっぽどの拘り、心配がなければそこまで気にしなくても大丈夫です。
※石目は必ず指定しましょう!
あなたのイメージに合う大谷石はどれでしょうか?
こんな感じの考え方になります!
- 大谷石らしい斑点模様が好きだけど茶色く変色したくない・・細目+(二級品)
- 石塀を作りたいけど斑点は小さい方が良い・・荒目+(一級品)
- 内装壁に大谷石を貼って斑点模様を強調したい・・中目+(二級品)
- 洗練された佇まいのある空間を作りたい・・細目+(一級品)
石目、等級の特徴を知る&選ぶことによって
自分の思い通りの空間をつくることができます!
先ずはどんな空間にしたいかイメージをふくらませましょう!
下記記事では【大谷石のおすすめの使いどころ】を紹介しているので参考にしてみてください。
⇒【実例あり】大谷石を使っておしゃれな空間に!おすすめの使いどころ7選完全解説!
【まとめ】石目を指定してイメージ通りの空間にしよう!
大谷石の種類について解説してきました。
おさらいしましょう!
- 色は1種類!大谷石は経年変色するもの
- 石目は細目、中目、荒目がある
- 細目は洗練されたイメージで変色が緩やか、価格は高め
- 中目はオールマイティでバランス型、価格は並
- 荒目は外構向きで耐火性が優れている、価格は安め
- 等級が特上、一級、並、二級に分類される
大谷石の種類や特徴を知ることはひじょうに重要です!
- どの大谷石を選べば失敗しないか
- 自分の創りたいイメージに合う大谷石はどれか
- どのように発注すれば良いか分からない
そんな場合は
大谷石の種類を選んだら、次は大谷石の仕上げを選びましょう。下記記事で仕上げの種類が選べます!
【大谷石のデザイン】仕上げの種類11選を厳選!選ぶポイントは直感で大丈夫です
大谷石を使って贅沢な時間を過ごしてください!
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