【軽量鉄骨】何に使うもの?何ができる?LGSが選ばれる4つの理由を解説!

工事見積や建築現場では『LGS』と言うワードが頻繁に出てくるけど、何のことかよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

内装業界では知っていて当然のワードとして扱われるので、理解できていないと話について行けなくなってしまいます。

  • そこで今回は『LGS』について超基本的な知識を解説。

実は『LGS』って目に見えないだけでマンションや、オフィス、普段行くお店でも良く使われている建築資材で、内装工事では必ずと言って良いほど関わる資材になります。

なぜなら『LGS』は壁や天井の骨組みとして使われているからです。

私は内装業界に携わり15年ほどになりますが、店舗やオフィスなどの工事現場で『LGS』を扱わない現場はほぼありませんでした。

それほど超基本的な建築資材となりますので、この記事を読んで概要を掴んでおきましょう!

この記事では下記の内容について解説していきます。

記事の内容
  • そもそもLGSってなに?
  • LGSを使ってできることは?
  • なぜLGSが選ばれるのか?

この記事を読み『LGS』について理解を深めるとこんなメリットがります。

この記事を読む読者のメリット
  • 業者の言っていることが理解できる
  • 工事内容が理解できる
  • LGSの役割が理解できる

『LGS』について理解することで、いつ?どんな時に?なぜ?LGSが必要になるのかが分かります。

内装工事においてLGSは必ず理解しておかなければならない基本的な建築資材になるので、しっかりと学んでいきましょう!

目次

【LGSとは?】軽量鉄骨のこと。規格・種類・サイズについて

LGSとはある英単語の頭文字をとった言葉で

  • Light (軽量)
  • Gauge (規格)
  • Steel (鉄)

直訳すると「軽量規格鉄骨」となります。

要するに「規格品の薄くて軽い鉄骨」ということですね。

現場ではLGSの他に『軽鉄』・『軽量』・『軽天』などと呼ばれることもあります。

LGSはJIS規格

LGSの規格は『JIS規格』によって定められています。

JIS規格とは日本規格協会によってつくられた規格の一つで、日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格となります。

  • Japanese (日本)
  • Industrial (産業)
  • Standards (標準)

直訳すると「日本産業規格」

さまざまな産業製品がJIS規格によって標準化されることによって我々の生活は安心・安全・便利に暮らすことができるのです。

LGSのJIS規格はJIS A 6517にて決められており、寸法や板厚、試験方法を定められており、官公庁関係の公共施設工事では必ずJIS規格品を使わなければなりません。

関連記事:【軽量鉄骨】JIS規格品と一般普及品の違い、メリット・デメリットとは?どっちを使えばよい?

LGSの種類は何がある?

LGSは軽量鉄骨材の総称なので、種類はさまざまです。

代表的なもので言うと下記になります。

  • 角型スタッド
  • C型スタッド
  • ランナー
  • Cチャンネル(親バー)
  • Mバー(子バー)

などなど。

どこまでをLGSと呼ぶかは定義が定まっておらず、これらの資材に付随する部材もLGSとまとめられることもあります。

LGSのサイズは?

サイズもさまざまです。

例えばC型スタッドの場合、下記の5種類があります。

  • 50型 (45㎜×50㎜)
  • 65型 (45㎜×65㎜)
  • 75型 (45㎜×75㎜)
  • 90型 (45㎜×90㎜)
  • 100型 (45㎜×100㎜)

更に長さも数種類。

2500㎜、2700㎜、3000㎜~と5000㎜まで各種あります。

注意

公共施設の工事では規格サイズによって使える長さ(高さ)に制限があり、スタッドを使い分ける必要があります。

例えば50型のスタッドを使う場合は2700㎜までの長さ(高さ)までにしなければなりません。

LGSは何に使われる?LGSにできる事

LGSは下地材として使われます。

下地とは?広辞苑で検索すると

  • 物事をなすための、また、ある状態になるための基礎となるもの。

と定義されています。

下地は基礎となるものなので、下地の良し悪しで完成品の出来栄えに大きな影響を及ぼします。

《LGS=下地材》は内装工事において重要な役割があるのです。

では、内装工事ではLGSを下地材として使い、何ができるのでしょうか?

LGSを使ってできる事を紹介していきます。

壁を作る

LGSは壁を作る基礎になります。

正確にはLGSはプラスターボードを貼るための下地(骨組み)となり、LGSにプラスターボードを貼ることで壁ができあがります。

更に言うとLGS+プラスターボードは壁を仕上げる下地となります。

壁の仕上げの種類はさまざまで

  • クロス仕上げ
  • 塗装仕上げ
  • 左官仕上げ(塗り壁仕上げ)
  • タイル仕上げ
  • 石貼り仕上げ

などなど

LGS+プラスターボード+仕上げの状態が我々が普段よく目にしている『壁』となっているのです。

つまりLGSは壁を作る工程で一番最初の基礎(下地)となる建築材料と言えます。

LGSで壁を作るときは主に下記の材料を使用

  • 角スタッド or C型スタッド
  • ランナー

LGSで壁下地を作ることを

  • LGS工事
  • LGS組

と呼びます。

✅LGSを使った壁の作り方は下記の記事で解説しています!

【間仕切り壁】初心者でも簡単!LGSを使った壁の作り方を解説!【材料費も公開】

天井を作る

LGSは天井を作る基礎になります。

壁と同じく、正確にはプラスターボードもしくはジプトーンを貼るための下地(骨組み)となります。

壁の場合はLGSにプラスターボードが貼られることが多いですが、天井の場合はプラスターボードに加えて「ジプトーン」という板状の石膏ボードが貼れらることがあります。

その状態から更に仕上げをすることで我々が良く目にする『天井』が出来上がります。

天井の仕上げは

  • クロス仕上げ
  • 塗装仕上げ

が一般的ですが、ジプトーンの場合はクロス仕上げは不可で塗装仕上げのみとなります。

LGSで天井を作るときは主に下記の材料を使用

  • Cチャンネル(親バー)
  • Mバー(子バー)

LGSで天井下地を作ることを

  • LGS工事
  • LGS組
  • 軽天工事

と呼びます。

造作を作る

LGSは加工が容易という特徴を持っており、さまざまな形状に組み上げ造作を作ることができます。

例えば

  • 門型のゲート
  • ニッチ造作
  • 下がり天井
  • 折り上げ天井
  • R型の柱や壁

といったさまざまな形状の造作を作る下地としても使われます。

プラスターボードを貼る下地としてだけではなく造作物を取り付ける下地としても使われます。

例えば

  • スリット
  • ダボレール
  • 棚板
  • フック

などの下地としての役割は多岐にわたります。

LGSが選ばれる4つの理由

なぜ下地材としてLGSが選ばれるのかを解説していきます。

一般住宅では下地材として木下地と言う選択肢もありますが、商業施設、マンション、オフィスではLGSが使われます。

木下地ではなくLGSが選ばれる理由は主に4つあります。

それぞれ見ていきます。

耐火性が高い

LGSと木の大きな違いは燃えにくいということです。

建築基準法では内装制限が定められており、ざっくり言うと共同住宅や大きい建物など多くの人が出入りする空間では燃えにくい材料を使わなければいけないというルールがあります。

燃えにくい材料のなかには3種類のカテゴリーがあります。

  • 不燃
  • 準不燃
  • 難燃

LGSは不燃材料なので耐火性がとても高い下地材です。

注意

ちなみにLGSに貼られるプラスターボードも不燃材料ですが、木下地にプラスターボードを貼ると不燃ではなくなってしまいます。

竣工時には下地材に何を使っているか写真の提出が求められるので、必ず不燃下地を使いましょう。

消防に指導を受けると下地をやり直さなければなりません。

考えただけでも恐ろしいですね。

軽い

LGSは直訳すると「軽量鉄骨」、その名のとおり「軽い」という特徴があります。

大きな現場では数百本とLGSを使うことがあり、現場によっては荷揚げ用のエレベーターがなく、階段で担ぎ上げることも少なくありません。

軽いことにより運搬用の車両数や荷揚げ用の人工を抑えることができ全体的なコストを減らすことができます。

実際に工事で扱う人にとっても「軽い」のはメリットです。

重いと単純に疲れますし、その分施工スピードも上がりません。

施工性が高い

LGSは肉厚がとても薄く、カット加工が容易にできます。

基本的にLGSは使いたい長さにカットして使うので、肉厚が厚くカットするのに時間を要していては作業スピードが上がりません。

LGSの場合は、専用の電動工具があればカットすること自体は一瞬の作業です。

プラスターボードを貼るときも、いちいち下穴を開ける必要もなくドリルビスを打ち込めば簡単に貫通ができます。

施工性が高いという事は工期短縮にもなるので、コスト面でもメリットがありますね。

注意

LGSをカットするときは火花が発生します。火花養生は必ず行いましょう!

JIS規格製品である

LGSはJIS規格製品であるという事も選ばれる理由の一つです。

例えば、公共施設工事ではJIS規格製品を使わなければいけないルールがあります。

不燃材料で施工性が高く、軽いうえに「JIS規格製品」と言うのは大きなメリットです。

逆に公共施設工事以外の建物では特に指定がない限り、JIS規格製品を使わなくても大丈夫です。

メーカーが独自に製造している「標準品」を使いましょう。その方が単価が安い場合が多いですね!

注意

ちなにみ公共施設工事では角スタッドはNGです!

壁を建てるにはC型スタッドと角スタッドの2種類の材料がありますが、JIS規格製品に該当するのはC型スタッドのみになります。

【まとめ】LGSは壁・天井・造作をつくる下地(基礎)になる!


  • LGSは下地材です。

内装工事において超基本的な役割をすることが分かりました。

  • 壁をつくる
  • 天井をつくる
  • 造作をつくる

空間を形成する上での基礎(骨組み)となる材料となります。

LGSで骨組みを組み、その上にプラスターボードを貼って仕上げをする。

そうすることで我々が良く目にしている壁や天井が出来上がっているのですね。

  • なぜLGSが選ばれるのか?4つの理由
  • 燃えにくい材料だから
  • 軽いから
  • 施工性が高いから
  • JIS規格製品だから

建築基準法では燃えにくい下地材を使うことがルール化されています。

この大前提をクリアしながら、更に現場での扱いやすさがLGSの強みになっています。

内装工事ではLGSは必ず出てくる材料なので、理解を深めておきましょう!

LGSの概要が理解できたら、今度は実際にどのように使われているかを理解する必要があります。

  • 組み方
  • 加工のやり方
  • 扱うときの注意点

などなど。

LGS工事は超基本的な工事になるのでしっかりと学びましょう!

別の記事で解説していますのでぜひ参考にしてください!

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この記事を書いた人

ブログ運営者のふくさらです。

時間にも場所にもお金にも多少のゆとりができたので、趣味でDIYを開始。
趣味で始めたDIYにどっぷりはまり物置を作業場にリフォーム。

本業はディスプレイ・内装業界。
15年の業界経験を活かし、暮らしの中のちょっとしたものをDIYで作って楽しんでいます。
最近ではオーダーを頂くことも増えました!

この『ゆとりDIY』では【初心者でもそこそこのものを作れるるようになる】をコンセプトに、必要工具の紹介、DIYレシピやノウハウを発信しています。

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