内装工事ではLGSを使って壁の下地を組むことがほとんどです。
ランナーとスタッドの組み合わせで下地を作っていきますが、スタッドには2種類あります。
- ロ型スタッド(角スタッド)
- C型スタッド
どちらもプラスターボードを貼る下地になりますし、サイズも同じ。
どちらを使えば良いのか悩みますよね?
実はこの2種類、施工方法が違うのです。
なんと角スタッドの方がC型スタッドと比べると2工程も少ないんです!
今回は角スタッドとC型スタッドの施工方法の違いについて解説。
- イベント、内装業界に携わり15年
- 営業、提案、発注、現場と業界の裏側を一通り経験
- 時間と場所とお金のゆとりをDIYに全力投球
- 業界経験を活かした空間創り、物つくりを実践中
当記事を読むとこんなことが分かります。
- 角スタッドとC型スタッドの施工方法の違い
- 角スタッドのメリット・デメリット
- 角スタッドを使う時の注意点
施工方法の違いやメリット・デメリットを知っていれば、角スタッドとC型スタッドの材料を選ぶときに判断基準ができます。
意外と知られてませんが角スタッドを使ってはいけない現場なんかもありますので、材料を選ぶときは要注意しましょう!
- 角スタッドとC型スタットを選ぶときの判断基準が備わる
- 角スタッドを使ってはいけない現場がわかる
- 材料費が抑えられる
プロはもちろんDIYで壁作り挑戦したい人も参考になる内容です!スタッド選びに悩んでいる人は必読!
施工方法が違う!角スタッドの方が簡単に下地が組める。
角スタッドとC型スタッドはどちらも上下のランナーにスタッドを差し込んで固定していくという手順は変わりません。
ただ使う部材がC型スタッドの方が多く、その分手間がかかります。
それぞれ施工方法の違いを解説していきましょう!
角スタッドの施工方法
必要な材料は2つだけ。
- 角スタッド
- ランナー
この2つの材料のみで下地を組むことができます。
施工手順は4工程。
- 床にランナーを固定
- 天井にランナーを固定
- 天地のランナーに角スタッドを差し込む
- 角スタッドをランナーにビス止め
ざっくり言うとこんな感じです。
もっと詳しく施工方法を知りたい人は下記記事で解説していますので参考にしてください!
【間仕切り壁】初心者でも簡単!LGSを使った壁の作り方を解説!【材料費も公開】
C型スタッドの施工方法
必要な材料は4つ。
- C型スタッド
- ランナー
- スペーサー
- 振れ止め
材料が2つ増えてますね!
スペーサーと振れ止めはそれぞれこんな形の部材です。
部材が増えることによって施工手順も増えます!
施工手順は6工程
- 床にランナーを固定
- 天井にランナーを固定
- C型スタッドにスペーサーを仕込む
- 天地のランナーにC型スタッドを差し込む
- C型スタッドに振れ止めを仕込む
- C型スタッドをランナーにビス止め
角スタッドの施工手順と比べると、スペーサーと振れ止めを仕込む手間が増えていますね。
スペーサーと振れ止めを仕込む手間はバカになりません!
手間が増えるので施工時間も増えるのは想像できると思います。
- スペーサーは600㎜ピッチで取り付け
- 振れ止めは1200㎜ピッチで取り付け
施工面積によっては施工人数を増やす場合もあり、当然費用も変わってきますね!
角スタッドのメリット5つ
角スタッドの方がC型スタッドより施工が簡単という事が分かりました。
角スタッドには他にどのようなメリットがあるのでしょうか?
製品単価が25%~30%ほど安い
実は角スタッドの方が製品単価が安いのです。
比較的よく使われる65×40サイズで比較してみましょう。
だいたい25%~30%ほど角スタッドの方が安いですね。
C型スタッドにはプラスでスペーサーと振れ止めも必要になるので、結構な価格差になります!
工期短縮になる
施工が簡単なので工期も短縮が可能。
角スタッドはスパーサーと振れ止めを仕込む手間がありません。
ランナーを固定して上下のランナーにスタッドを差し込み、ビス止めすればOKです!
小さな現場ではあまり変わりませんが、使う本数が多くなればなるほど工期に差が出てきます。
施工費が安い
C型スタッドに比べて施工費も安くなります。
- 工期短縮=現場管理費、施工人工の削減
- 施工が簡単=施工人工の削減
- 単価が安い=材料費の削減
なかでも人件費は工事代の中では一番高く、削減しづらい項目なので大きなインパクトがあります。
職人さんは1人工30,000円くらいはしますからね!
隠蔽配線がしやすい
壁の中に電線や配管などを隠したいときは角スタッドの方が圧倒的に楽です!
C型スタッドですと振れ止めが邪魔になりますからね!
サイズが豊富
角スタッドはサイズも豊富です。
サイズを表にまとめてみました。
サイズ | C型スタッド | 角スタッド | サイズ | C型スタッド | 角スタッド |
40㎜×20㎜ | ✖ | 〇 | 45㎜×65㎜ | 〇 | 〇 |
40㎜×25㎜ | ✖ | 〇 | 45㎜×75㎜ | 〇 | 〇 |
40㎜×45㎜ | ✖ | 〇 | 45㎜×90㎜ | 〇 | 〇 |
40㎜×50㎜ | 〇 | 〇 | 45㎜×100㎜ | 〇 | 〇 |
角スタッドの方が細い材料が揃っています。
スペースがなく細かい収まりが出てくる現場では角スタッドの方が有利ですね!
角スタッドのデメリット3つ
角スタッドの良いところに注目してきましたが、デメリットも当然あります。
角スタッドのデメリット3つを紹介。
材が薄いので強度はC型スタッドの方が有利
角スタッドは材料の厚みがC型スタッドに比べて薄くなっています。
- 角スタッド・・厚み0.45㎜
- C型スタッド・・厚み0.8㎜
薄い分、強度が大丈夫か?と心配になりますよね。
C型の方が強度が強いことは確かです。ここはデメリットと言えるかもしれません。
ただ角スタッドはロ型なので、その形状で強度はカバーされています。
決して角スタッド自体の強度が低いわけではないのでご安心を。
内装工事では良く使われています!
JIS規格品がない
角スタッドにはJIS規格品がありません。
一般材しかない為、JIS規格指定の現場では使うことができないというデメリットがあります。
JIS規格とは日本規格協会によってつくられた規格の一つで、日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格となります。
C型スタッドは一般材とJIS規格品がありますので選びやすいですね。
※JIS規格って何?ていう人は下記記事を参考にしてください!
【軽量鉄骨】JIS規格品と一般普及品の違い、メリット・デメリットとは?どっちを使えばよい?
貫通配線、枠のビス固定は面倒!
立ち下げ配線は「上から下」なので振れ止めがない分、容易に立ち下げができますが、貫通配線は「右⇔左」なのでロ型の形状の角スタッドの場合、貫通穴を2か所空けなければいけません!
C型スタッドは貫通穴が1か所で済みます。
また出入り口の三方枠をビス止めするときも、ビス止め用の穴を空けなければいけません。
下の写真が角スタッドに貫通穴を空けて配線、配管、ビス止めをした時の画像です。
地味に面倒な作業なんですよね、これが。
【必見】角スタッドを使う時の注意点!
角スタッドはC型スタッドに比べて施工が簡単な上に、他のメリットもたくさんありました。
「だったらC型スタッド使う事なんてあるの?」と思うかもしれません。
最後に角スタッドを使う時の注意点をお伝えします。
ここを間違うと大変なことになるので要注意です!
角スタッドを使ってはいけない現場がある!
角スタッドはJIS規格品ではないとお伝えしました。
ここが重要で、JIS規格品の材料しか使ってはいけない現場があります。
具体的には
- 公共施設の工事
- 建築工事
- A工事、B工事
ここで間違って角スタッドを使ってしまうと、工事やり直しです!
大損害を被るので注意しましょう。
ちなみA工事、B工事とは工事区分のことです。
詳しくは下記記事を参考にしてください!
内装工事】A工事・B工事・C工事って何?工事区分を分かりやすく解説!
高い壁を作るときはC型を使った方が良い!
角スタッドは材の肉厚が薄い分、ロ型の形状で強度をカバーしています。
ただC型スタッドの方が強度があるのは確かです。
ですので高い壁を作るときはC型スタッドを使っておきましょう!
4000㎜以上の壁になるならC型を使った方が良いと思います。
特に中間間仕切壁を作る場合は要注意です!
【まとめ】角スタッドの方が施工は簡単。でも使う前に注意が必要!
角スタッドとC型スタッドの施工方法の違いについて解説しました。
- 床にランナーを固定
- 天井にランナーを固定
- 天地のランナーに角スタッドを差し込む
- 角スタッドをランナーにビス止め
- 床にランナーを固定
- 天井にランナーを固定
- C型スタッドにスペーサーを仕込む
- 天地のランナーにC型スタッドを差し込む
- C型スタッドに振れ止めを仕込む
- C型スタッドをランナーにビス止め
角スタッドの施工手順の方が2工程少ないですね。
その理由は使う材料の違いです。
※C型スタッドは角スタッドより2つの部材が増えます。
- スペーサー
- 振れ止め
この2つの部材を仕込む手間があるので時間と人工が必要になります。
角スタッドを使うメリットは大きいですね!
では全ての現場、角スタッドで良いのか?と言うと、答えはNOです!
- 角スタッドは使ってはいけない現場がある
- 公共施設の工事
- 建築工事
- A工事、B工事
- 高い壁を作るとき
- 目安として4000㎜以上の壁はC型スタッドの方が良い
角スタッドはJIS規格製品ではありません。
現場によってはJIS規格製品しか使えない現場があります。
また、強度はC型スタッドの方が高いです!
壁の高さが高くなればなるほど(=スタッドの長さが長くなればなるほど)C型スタッドを使った方が安心安全です!
JIS規格品って何?と言う人は下記記事を参考にしてください!
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