『内装制限』という言葉、聞いたことありませんか?
建築、内装業界に携わっている人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
ただその中身ってよく分かりませんよね。
今回は『内装制限』について初心者でも「分かりやすい」「覚えやすい」をテーマにお伝えします!
難しい言葉は極力使わずにかみ砕いて解説していきますよ!
内装制限は建築基準法で定められています。
『建築基準法』って聞くと「なんだか難しそう・・」と挫折しそうになりますよね。
文字の羅列で読むのさえ止めたくなるような条文。
でも大丈夫!ほんとに重要なポイントさえおさえれば内装制限についての概要は理解できるはず!
その重要なポイントを抽出して解説しますのでご安心を!
私は内装業界に15年ほど携わっていましたが「内装制限」はどの現場でも必ず出てきます。
よく理解しないまま進めて工事やり直しなど、痛い目にも遭いました。
そんな失敗をしないようにここでしっかりポイントをおさえていきましょう!
そもそも内装制限とは?火災被害の拡大を防ぐための規制
内装制限とは建築基準法によって定められている法律です。
条文を読んでも難しいことが書いてあるので、ざっくりと要点だけ説明しますと
火災が発生した時に、内装に燃えにく材料を使い火災の拡大を遅らせる。または有害な煙が出ない材料を使い避難の妨げにならないようにする。
ではどのような制限があるのかを見ていきましょう。
内装制限対象の建築物とその範囲とは?用途と規模で決まる
内装制限は全ての建築物に適用されるわけではありません。
対象となる建築物は用途と規模で決まります。
建築基準法に習って言いますと、大きく4つに分類されています。
- 特殊建築物
- 大規模建築物
- 火気使用室
- 無窓居室
分かりやすくざっくり言うとこんな感じです。
- 不特定多数の人が出入りする建物
- 床面積が広い建物
- 火を使う部屋
- 排煙用の基準に即した窓のない部屋
多くの人が出入りする建物や、火災発生の可能性が高い建物、または排煙が十分に取れないような建物が対象になるという事ですね。
具体的にどのような建築物が対象になるかを見ていきましょう!
【特殊建築物】不特定多数の人が出入りする建物

特殊建築物とは特殊な用途を持つ建築物のことで
- 多数の人が集う建築物
- 衛生上、防火上に特に規制すべき建築物
と定義されています。
「不特定多数の人が出入りする建物」と覚えておきましょう。
建築基準法によれば次の用途の建築物が「特殊建築物」であるとされています。
- 劇場、映画館、演劇上、観覧場、公会堂、集会場など
- 病院、映画館、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿所など
- 百貨店、マーケット、展示場、ダンスホール、キャバレー、料理店、公衆浴場など
- 自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオなど
共通点は「不特定多数の人が出入りする」ですね!
車庫も特殊建築物になるので住宅に付属するガレージも対象です。
特殊建築物1~3における内装制限の範囲について
壁と天井はそれぞれ制限がありますが床は制限の対象外なんですね。
炎は上に向かって燃え上がる性質を持っているからです。
なので床から1.2mの高さの壁も免除という事ですね。
また、建具も制限の対象外です。
- 制限の対象は壁と天井の内装材
- 壁は床から1.2mの高さまでは免除
- 床と建具は対象外
特殊建築物4における内装制限の範囲について
自動車車庫や修理工場は緩和措置なく有無を言わさず準不燃以上になります。
自動車だけでなくバイクも同じです。
ただし駐輪場は対象外。火災のリスクが低いからですね。
地下の特殊建築物における内装制限の範囲について
地下にある特殊建築物も緩和措置なく有無を言わさず準不燃以上になります。
地下は窓がなく排煙や採光もしずらいので避難に時間を要します。
火災被害拡大のリスクが高くなるからですね。
ただし、すべての特殊建築物が対象になるわけではありません。
以下の用途で地下にある特殊建築物は、内装制限の対象となります。
- 劇場、映画館、演劇場、観覧場、公会堂、集会場
- 病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、下宿、共同住宅、寄宿舎、児童福祉施設等(幼保連携型認定こども園を含む)
- 飲食店、物品販売業を営む店舗、百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェ、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、待合、料理店
【大規模建築物】床面積が広い建物

用途だけでなく建築物の規模によっても対象に。
建築物の規模は階数と床面積によって決められています。
内装制限の対象となる「大規模建築物」は下記になります。
- 階数が3階以上で、延べ床面積が500㎡を超える建築物
- 階数が2階で、延べ床面積が1000㎡を超える建築物
- 階数が1階で、延べ床面積が3000㎡を超える建築物
大規模建築物における内装制限の範囲
特殊建築物の制限範囲とそう変わりまりません。
特殊建築物との違いは3階以上でも難燃材料でOKと言うところ
【火気使用室】火を使う部屋

火を使う部屋も内装制限の対象になります。
火災のリスクがあるから当然ですよね。
- 住宅、兼用住宅の調理室、浴室
- 住宅以外の調理室、浴室、乾燥室、ボイラー室
- そのほか火を使う設備を設けた部屋
ガスコンロがある住宅のキッチンも対象になります。
ただし、下記の場合は火気使用室でも対象外となります。
- ガスコンロではなくIHコンロの場合
- 階数が2階以上で最上階にある火気使用室
- 主要構造部を耐火構造とした建築物
オール電化の住宅なら対象外という事ですね!
火気使用室における内装制限の範囲
吹き抜けなどで一体になっている場合は、すべて内装制限の対象となります。
やはり火は直接火災の原因となるので厳しめですね。
【無窓居室】内装制限の基準を満たした排煙窓がない居室

建築基準法において「無窓居室」というのは4種類あります。
- 採光無窓
- 換気無窓
- 排煙無窓
- 避難無窓
この4種類のなかで内装制限の対象になるのは「排煙無窓居室」です。
以下の2つの条件に該当する居室は内装制限の対象となります。
- 床面積が50㎡以上
- 天井から80㎝以内にある開口部の面積が床面積の1/50未満
ただし、無窓居室でも以下の条件下では免除となります。
天井の高さが6mを超える部屋は免除
無窓居室における内装制限の範囲
地下室、火気使用室と同様に準不燃以上の内装材を使わなければいけません。
排煙がないと非難の妨げになりますし、煙を吸い込んだら大変です!
【まとめ】内装制限一覧表で確認

内装制限の対象となる建築物は大きく分けると4つに分類されます。
- 特殊建築物
- 大規模建築物
- 火気使用室
- 無窓居室
これを分かりやすく言い換えると以下の建築物ですね。
- 不特定多数の人が出入りする建物
- 床面積が広い建物
- 火を使う部屋
- 排煙用の基準に即した窓のない部屋
それぞれの定義と内装制限の範囲をざっくりと一覧表にまとめましたので、確認していきましょう!
耐火建築物、準耐火建築物イ‐1 | 準耐火建築物イ‐2、ロ‐1、ロ‐2 | その他の建築物 | 内装制限 | ポイント | ||
居室 | 通路、階段 | |||||
【特殊建築物1】 |
客席400㎡以上 | 客席100㎡以上 | 客席100㎡以上 | 難燃以上 | 準不燃以上 |
・居室の壁は床から1.2m以下は除く ・居室の天井は3階以上に居室を有する場合は準不燃以上 ・床と建具は対象外
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【特殊建築物2】 |
3階以上の合計が300㎡以上 | 2階部分が300㎡以上 | 床面積が200㎡以上 | 難燃以上 | 準不燃以上 | |
【特殊建築物3】 |
3階以上の合計が1000㎡以上 | 2階部分が500㎡以上 | 床面積200㎡以上 | 難燃以上 | 準不燃以上 | |
【特殊建築物4】 |
すべて適用 | 準不燃以上 | 準不燃以上 |
・バイクも同様 ・駐輪場は対象外 |
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【特殊建築物 地下】 |
すべて適用 | 準不燃以上 | 準不燃以上 |
|
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【大規模建築物】 |
・階数が3階以上で、延べ床面積500㎡以上 |
難燃以上 | 準不燃以上 |
・3階以上でも難燃材料でOK |
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【火気使用室】 |
すべて適用(主要構造が耐火構造の場合は除く) | 準不燃以上 | 準不燃以上 |
・ガスコンロではなくIHコンロの場合は除く ・階数が2階以上で最上階にある火気使用室は除く ・主要構造を耐火構造とした建築物は除く |
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【無窓居室】 |
床面積が50㎡以上 | 準不燃以上 | 準不燃以上 |
・天井の高さが6メートルを超える部屋は免除 |
内装制限は細かく建築基準法で細かく定められています。
竣工後には諸官庁の検査があるので必ず遵守しましょう!
もし検査で引っかかってしまうとやり直しになってしまうから要注意です。
工事中は材料の写真や、材料の出荷証明を取っておくと良いでしょう!
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