- 養生は何を使えば使えば良いの?
- 養生の種類って何があるの?
- 養生を選ぶ時のポイントは?
内装工事、DIYの事前準備で欠かせないのが『養生』ですよね。
でも養生ってたくさんあり過ぎて何を選べば良いのか分からなくないですか?
私も内装現場入りたての頃は「いつどんな養生が必要か」が分からず、混乱していました。。
実は養生ってめちゃくちゃ重要なんですよね。
そこで当記事では養生についての読者の疑問を解決します!
内装工事、DIYで準備すべき『養生材』を一挙に紹介!
当記事を読めば基本的な養生材についての知識が身につきます。
養生によって仕上がりにも差が出ますので、正しい知識を学びましょう!
養生材を選ぶポイント3つ
あまたある養生材。いつどんな養生材が必要か?
養生材を選ぶポイントは大きく分けて3つです。
- 用途で選ぶ
- 素材で選ぶ
- 形状で選ぶ
それぞれ見ていきましょう。
用途で選ぶ
「何をどうしたいか?」を明確にしましょう。
養生をする目的によって使う養生材も変わってきます。
◇『床養生』の場合
- 床を重量物から守りたいならベニヤ養生
- 床を火花から守りたいなら防炎シート養生
- 床をホコリ、粉塵から守りたいならブルーシート養生
◇『壁養生』の場合
- 壁を搬入物から守りたいならパネル養生
- 壁をホコリ、粉塵から守りたいならポリシート養生
- 壁を塗料から守りたいならマスカー養生
などなど。
何をどうしたいのかで使う養生も絞られてきます。
素材で選ぶ
養生材の素材によって、特徴が異なります。
◇ポリエチレン(PE)
- 加工が容易で安価
- 薄手から厚手のものまでフィルムの幅が広い
- ロール、シートタイプの養生に多い
- 耐熱性は低いため火や熱には弱い
◇ポリプロピレン(PP)
- 耐久性に優れており、繰り返し使える
- パネルタイプの養生に多い
- 耐熱性が高く火や熱に強い
- ポリエチレンと比べると高い
◇紙・パルプ
- 加工が簡単
- 紙単一でつくられていてリサイクル可
- 床養生によく使われる
- 表面フィルム加工で防滑性があるタイプもある
◇ポリエステル
- 耐久性に優れており、繰り返し使える
- 養生マットによく使われる
- 緩衝材になる
- 耐熱性は低いため火や熱には弱い
素材の特徴によってメリット・デメリットがありますね。
特に作業中は火元は要注意です。
火気を使う場合は養生にも気を付けましょう!
形状で選ぶ
施工性を考慮して形状で選ぶのも重要なポイントです。
用途によっては形状を間違えると作業が非効率になります。
◇テープタイプ
- 弱粘着で剥がした跡に糊が残らない
- 各種養生を固定するときには必ず必要
- 手で簡単に切れるため作業性が良い
◇シート/ロールタイプ
- 広い面積を養生するときに使用
- 立体物に覆いかぶせて養生することが可能
- シートは広げるだけ、ロールは転がすだけなので作業性が良い
◇パネルタイプ
- 耐久性が強く繰り返し使えるタイプが多い
- 重量物運搬や荷物置き場、作業場などの床養生に使用
- 搬入導線の壁、EV内で使用
- 防滑性があり安全
- シートタイプに比べ養生をする手間がかかる
◇マットタイプ
- 荷物置き場、道具置き場、造作物置き場などに使用
- 作業場としてではなく、ストック場所として使われることが多い
- 緩衝材として使用
作業効率に大きな差が出てきます。
用途と形状を組み合わせて選ぶようにしましょう!
代表的な養生材を形状別に紹介!
内装現場、DIYでよく使う代表的な養生材を紹介します。
用途、素材と合わせて確認していきましょう。
テープ養生
テープ状になっており、手で簡単に切ることができるため手軽に使えます。
何かと使用頻度は高く、とりあえず準備しとくべきアイテムです。
代表的なものを3つ紹介します。
養生テープ
弱粘タイプのため剥がした跡の糊が残らないという特徴があります。
また、粘着面の仕上げを一緒に剥がすこともないので仕上がり面にも貼り付けることができます。
養生材の仮止めや、墨出し、目印など使用用途は多岐にわたります。
サイズ | 50㎜×25M(50Mもあり) |
素材 | ポリエチレン |
用途 | 養生材や各種養生の仮止め |
特徴 | 弱粘、糊が残らない |
マスキングテープ
主に塗装やシール打ちの時の養生として使用。
塗装工事では塗装を早く乾かすためにヒートガンを使うことがあります。
ヒートガンはドライヤーと違い100℃以上の熱がでますので、使う養生には耐熱性が必要。
サイズも豊富でテープ幅が細いので、細かい箇所の養生には重宝されます。
色も豊富で10色以上もラインナップがあり、視認性は抜群!
サイズ | 12mm・15mm・18mm・20mm・21mm・24mm・30mm・40mm・50 mm×18M |
素材 | 和紙 |
用途 | 塗装、シール打ちの取り合い部分の養生 |
特徴 | 弱粘、糊が残らない、水に強い、熱に強い |
マスカーテープ
養生テープとポリシートが一体型になった超便利アイテム。
広い壁面を全体的に養生したいときは大活躍します。
ポリシートはきれいに折りたたまれているので見た目はとってもコンパクトですが、広げると壁全体を養生できるほどの大きさになります!
小さいので場所も取らず持ち運びにも便利。
手で切ることもできますが、ハサミを使ってカットしたほうが良いです。
手で切るとまっすぐ切れないので、微妙に壁全体をカバーできていなかったり、隙間ができたりなんてことが良くあります!
広げた時の長さ |
300㎜・500㎜・750㎜・1000㎜・1100㎜・ 1800㎜・2100㎜・2400㎜・2700㎜ |
巻き数 | 20M・25M |
素材 | ポリエチレン(コロナ処理) |
用途 | 壁面養生、塗装工事、クリーニングなど |
特徴 | 養生テープが仕込んである、広い面積を一度に養生できる |
シート養生
シートタイプは広げるだけ、ロール状になっているタイプは転がすだけで作業が簡単。
広い範囲の養生に最適です。
主にホコリや、粉塵、塗料などからの養生に使います。
ブルー(ホワイト)シートロール
ロール状になっておりロール巾は1800㎜と900㎜の2種類。
長さも50Mと100Mの2種類があり、用途に応じて使い分けます。
長い搬入導線や、広い部屋の床養生によく使います。
薄手のシートになるの床を保護する役割としては少々弱い。
作業時に発生するゴミやホコリ対策、ちょっとした軽作業時の床養生として考えましょう。
手で切ることはできないのでカッターかハサミが必要。
ロール巾 | 900巾・1800巾 |
長さ | 50M・100M |
素材 | ポリエチレン |
用途 | 搬入導線、軽作業時の床養生 |
特徴 | 耐水性は高い、耐火性は低い |
防炎シート
シート状になっているので広げて敷くだけで簡単に設置可能。
防炎加工が施してあるので火に強く、火気使用の際には必須アイテム!
LGS工事や金物をカット加工するときは火花が出るので防炎シートを床に敷いて加工します。
ロールのブルーシートに比べ生地も厚手のため、丈夫で繰り返し使えるのもありがたい。
耐水性、耐候性も高いので屋外で資材を覆い養生カバーにしても大丈夫です。
サイズ |
1.8M×3.6M・1.8M×5.4M・3.6M×5.4M・ 5.6M×7.2M・10M×10M |
素材 | ポリエチレン |
用途 | 屋外の養生カバー、火気使用時の床養生 |
特徴 | 防水・耐火・難燃性に優れている |
ポリシート
ポリシートはポリフィルム、養生シートとも呼ばれロール状の透明フィルムです。
建築現場のホコリからの養生や、土間の防湿シート、機材の養生、塗装の養生など使用目的はざまざまです。
マスカーのテープなしのようなものですね。
手で簡単に切ることができるの現場では重宝され、とりあえず準備しておくことが多いです。
サイズはシングル巾・ダブル巾があり、ダブル巾はシートが折りたたまれているため広げると2倍の大きさになります。
ロール巾 | 900巾・1800巾(各巾にシングル・ダブルがある) |
長さ | 50M・100M |
素材 | ポリエチレン |
用途 | 土間の防湿、塗装時の養生、機材の養生、ホコリ養生 |
特徴 | 透明、手で切れる、火に弱い、サイズはシングル・ダブルがある |
布シート(ベトナムシート)
その名の通り布で作られたシートです。
別名『ベトナムシート』とも呼ばれます。
塗装工事の養生で良く使われ、仕上がり面に塗料の付着を防ぐ役割があります。
ブルーシートでは水を弾いてしまうので塗料を吸い込まず飛び散ってしまう可能性があるため、塗装工事の床養生では布シートを使います。
また厚手の布で出来ているので塗料を通しづらいという特徴も。
布製のため繰り返し使えるというのもメリットですね。
サイズ | 各種(定尺はなし) |
素材 | 布 |
用途 | 塗装工事の養生 |
特徴 | 繰り返し使える、塗料を吸い通さない |
パネル養生
現場作業時の床養生、重量物の搬入出経路の床や壁などの養生によく使われます。
シート養生よりも衝撃には強く、建築資材や道具などの衝突・落下から仕上げ面をしっかりと守ることができます。
ベニヤ
重量物の搬入出作業や、作業時に床や壁を保護するために使用。
サイズは920×1830が一般的。木材のため加工するにはノコが必要になります。
厚みがあるので養生としての信頼度は高いですが、重たいのが少々難点なところ。
サイズ | 920㎜×1830㎜ |
厚み | 2㎜~12㎜ |
素材 | 木 |
用途 | 重量物の搬入出、作業時の床養生 |
特徴 | 繰り返し使える、重い、重量物・衝撃には非常に強い |
プラダン(ダンプラ)
プラスチック段ボールの略称。
プラダン、ダンプラと呼ばれます。
折り目がついているので簡単に折り曲げることが可能。壁のコーナー部分やEV内の養生には最適。
カッターで簡単に切ることができるので加工性も高く、軽いのが魅力的。
段ボールのような構造で中が空洞でなので緩衝材にもなります。
サイズ | 910㎜×1820㎜ |
厚み | 1.5㎜~4㎜ |
素材 | ポリプロピレン |
用途 | 搬入出、作業時の床・壁の養生 |
特徴 | 折り曲げやすい、軽い、緩衝材になる、カッターで加工できる |
ブルーボード
耐衝撃性に優れ、搬入出時、作業時の床・壁養生に最適。
繰り返し使うことが可能で、耐水性もあるので汚れたら洗う事も可能。
表裏に滑り止め加工が施してあり、防滑性もあるので安全に作業することが出来ます。
丈夫な樹脂で出来ているので少々の落下物で穴が開いたりすることはありません。
サイズ | 1800㎜×900㎜ |
厚み | 1.5・3㎜ |
素材 | ポリプロピレン |
用途 | 搬入出、作業時の床・壁の養生 |
特徴 | 硬い、洗える、防水性・防滑性・耐衝撃性が高い |
パルプ養生
再生パルプを使っているのでリサイクル可能なエコ商品。
サスティナビリティの観点からも魅力的ですね。
床や廊下の養生で良く使われます。衝撃にも強く、緩衝材としての役割もあるので床をしっかりと保護します。
2つ折りにできるので持ち運びしやすく、保管もしやすい特徴も。
サイズ | 720㎜×1700㎜ |
厚み | 2㎜・2.3㎜ |
素材 | 紙・パルプ |
用途 | 廊下、床の養生 |
特徴 | 衝撃性・緩衝性が高い、2つ折りにできる、リサイクル可 |
マット養生
荷物置や、造作物の養生、運搬時の当て布団など緩衝材として使われることが多いです。
引っ越し屋さんが良く持っていますね。
クッションマット
マット養生の代表格。
破れや引き裂きに強く、軽量で丈夫な養生です。
運送時の荷物保護や作業時の滑り止め、キズ防止、作業時の床養生にも使えるマルチなマット。
ノンスリップ加工も施してあり作業時、荷物の運搬時にも滑りにくい為、ズレ等も発生しにくくなっています。
サイズ | 各種サイズあり |
素材 | ポリエステル |
用途 | 荷物置き・運送時の緩衝材、作業時のキズ防止 |
特徴 | 繰り返し使える、軽量、破れ・引き裂きに強い |
ブルーマット
裏面にクッション材がついた養生マット。
水に強く、カッターで簡単にカットできるので、あらゆる箇所に対応します。
裏面にクッション材がついているので、小石や砂など擦り傷から床材を守ります。
サイズ | 1000巾×30M |
厚み | 1.5㎜・1.8㎜ |
素材 | ポリエチレン |
用途 | 床養生 |
特徴 | 水に強い、カッターで切れる、緩衝材になる |
その他便利な養生
その他、変わった形状の便利な養生材について紹介します。
「ちょうどこんなの欲しかった!」と言うかゆいところに手が届く養生材です!
丸型養生カバー
柱・サッシ・各種開口部やパイプ等を保護をする耐衝撃性の高い養生材です。
テープ不要で取付け取外しが簡単。クッション性に優れた発泡製品のため、軽くて耐衝撃性に優れています。
カッターでカット加工も簡単にできるので汎用性も高い。
丸型のためどのような対象物にもフィットしやすい形状になっています。
サイズ | 巾50㎜~180㎜×L1700㎜ |
素材 | ポリエチレン |
用途 | 柱、サッシ、各種開口部の養生 |
特徴 | 耐衝撃性が高い、カッターで加工可、あらゆる形状にフィット |
コーナーカバー
L型の形状になっており、様々な出隅、コーナーの養生に最適。
出隅は物をぶつけやすく、気が付かないうちに腰袋や資材、台車などが当たって角がボロボロになっていたなんてことは良くあります。
角部分は補修が難しく、やり直しになるなんてことも。
細部こそ養生は大切です。
サイズ | (25×25・50×50・75×75・100×100)×L1700 |
素材 | ポリエチレン |
用途 | 出隅・コーナー部分の養生 |
特徴 | 耐衝撃性が高い、カッターで加工可 |
ステップ養生
階段専用の養生材。
予め階段の框と踏板に沿うような形状となっておりカット不要なありがたい商品。
現場で加工して階段養生を作っていたら時間がかかって仕方ないですね!
Uターン、3段廻り、廻り階段にも対応しており正に階段に特化した養生です。
紙単一素材のためリサイクルも可能です!
サイズ | W740×Ⅾ200~240×H130~170 |
素材 | パルプ |
用途 | 階段養生 |
特徴 | リサイクル可、カッターで加工可 |
【養生材】商品比較表
まとめ
養生はたくさんの種類があるため目的によって使い分けることが大切です。
養生を選ぶポイントは下記の3つ。
- 用途で選ぶ
- 素材で選ぶ
- 形状で選ぶ
養生選びを間違えると、せっかく養生しているのに傷ができたり汚れてしまったりと養生の意味がなくなってしまいます。
また、養生はどんな作業の前にも必ず必要になってきますので忘れずに準備しましょう!
養生がないと作業が始まらないですからね。
ぜひ養生選びの参考にしてみてください!
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